青木敏朗

2020年7月9日3 分

第二波に備えよ(7月9日付)

最終更新: 2020年7月10日

 新たな感染拡大が始まった?

 5月25日に緊急事態宣言が解除されて以降、徐々に正常な生活へと戻りつつあった日本ですが、その間、世界では感染拡大が収まるどころか、むしろ加速するような勢いで増え、本日7月9日現在、世界全体で千二百万人を超える感染者数を数えています。

 こういった海外の動きと半ば呼応して、我が国でも7月に入って間もなく、東京で連日100人を超える新たな感染者が発生し、本日9日午後3時の報道では、その数が一気に200人を超えました。もはや第二波の襲来が近づいていることは、否定できない状況になりつつあります。

 第二波は学校が感染のクロスポイントとなる?

 第一波の際は、安倍政権の英断で早い内に休校措置が執られ、子供たちの感染がほとんどない状態で収束を迎えることが出来ましたが、私が子供たちを通じて知る限り、現在、一般店舗などの感染対策の進み具合に比べ、(周辺の)学校ではほとんど三密状態が回避できておりません。「もう、大丈夫だ」そんな何の根拠もない楽観論が学校のまわりに漂っているように見えるのです。このまま行くと、第二波では学校が感染拡大のクロスポイントになるのではないかと懸念しています。

 強毒化し、感染力も増して空気感染する?

 第一波による日本の被害が欧米諸国に比べて軽微なレベルで済んだ理由として、マスクの着用が半ば習慣化し、自宅では土足で生活しないなど、ライフスタイルの違いが挙げられたり、更には遺伝子の違いなどが指摘されていますが、その一方で、当初、日本に広がったのは弱毒性のウィルスで、単に幸運だったに過ぎないという声もあります。

 日本の状況に比べ、欧米諸国の被害状況はまさに桁違いです。現在、我が国も徐々に国を開きつつありますが、直接、間接を問わず、様々なルートで海外の強毒性ウィルスが侵入する可能性があります。しかも、最近の変異種では感染力が6倍に強まったものが現れたり、かつては否定されていた空気感染の可能性すら囁かれるようになりました。こういった様々なことを考慮すると、素人の私見ながら、第二波は第一波のような調子で乗り越えることは難しいのではないかと心配しています。

 今の内に準備を

 第一波の際、一部の人たちの転売行為で、マスクや消毒薬などの欠品が続き、多くの人々が無用な苦労を強いられましたが、その後、政府が転売を禁止するなどの立法措置をとったお陰で、これから訪れる第二波では、第一波の時のような物品面の不足による苦労はかなり軽減されるのではと思います。とはいえ、比較的余裕のある今の内に、次なる感染拡大に備えることが大切であることは言うまでもありません。今さらですが、まだまだ整備の遅れている学校教育のオンライン化を急ぐことも急務です。

 今は非常時だということを忘れない

 人間はどうしても、「私は大丈夫だ」という正常性バイアスがかかった物の考え方をする傾向があります。しかし、今のような人命がかかった非常時には、最悪の場合に備え、徹底して客観的、論理的に物を考えることが不可欠です。非常時には平常時の時のようなことは出来ないのは当然です。様々な不自由がある中で、出来る限り工夫して日常生活に支障が出ないように努める、今、出来ることは、それしかないと思います。

 人間は必ず困難を克服できる

 今の私達に限らず、過去の多くの世代も、戦争や疫病、自然災害など様々な困難を経験してきました。人間には、本来、どんな困難をも乗り越えることの出来る素晴らしい能力が備わっています。より良き未来を創造するには、目の前の不自由な生活や困難に囚われず、人知の偉大さを信じ、着実な努力を積み重ねて行くことこそが大切です。特に若い皆さんには、こんな時だからこそ、寸暇を惜しんで学ぶ姿勢を大切にして欲しいと願っています。僕も頑張ります。だから、皆さんも頑張って下さい。

    1070
    1